「初代けいすけ」食べ方POP/2007年12月
2004年にオープンした、品川のラーメン集合施設「品達」。2007年の12月に2店舗が入れ替わり、「くじら軒」のあった場所に「初代けいすけ」が入ることになりました。そのときに依頼されたのがこのPOPです。
「凪」の食べ方POPでは、お客様の経験値を3段階に分けましたが、今回は1回の食事においての順序なので、意味が異なります。
そこで、わかり易すぎるくらいの内容にしました。なぜなら、それが施設の店舗だからです。当時の「けいすけ」といえば、まさにラーメン界の最先端を突っ走っていました。独特のギミックがあり、その個性を求めてお客様が集まっていたのです(これを目的来店といいます)。しかし施設店となえるとそうはいきません。
駅近・集合施設・イベントなどでは、「そのラーメンを目的に行く」という熱心なお客様の割合はとても減ります。「なんかあるから、どこか入ってみるか…」というお客様(これを衝動来店といいます)が多くなる。
路面店での固定客と違い、幅広くなる客層・ニーズに応えるため、メニュー数も増える。中でもつけ麺を出すことになった。その環境では〝取説〟的なPOPが必要なのです。
竹田さんを〝けいすけ〟というキャラとして活用し、食べ手側を演じてもらいました。店主さんの中には、まったく表に出てこない人もいますが、竹田さんは専門誌にもよく登場し、象徴的な存在として効果的だと考えたからです。敢えてコミカルなキャラクターにすることで、コワモテな印象をやわらげています。
それまでラーメン店に食べ方POPがなかったわけではありません。しかしこのPOPは、「TETSU」の食べ方POPとともに、かなり模倣されたようです。全国各地から、ソックリなPOPの写真が送られてきました。遠征旅行に行ったラーメン仲間が見つけて、写真を送ってくれたのです。中にはオープン1日目の店もありました。かつては何十年でも見過ごされるものでしたが、さすが現代の情報伝達力の早さ、タイムラグのなさに驚くばかりです。
「初代けいすけ」は、ほぼ10年間、品達で営業されていました(現在、同店舗には「金澤濃厚豚骨ラーメン 神仙」が入店しています)。現在は本駒込に本店を構えています。
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